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追突事故の慰謝料の計算で重要なこと

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追突事故の慰謝料

追突事故は、基本的に10対0の事故です。つまり、被害者に過失は発生しないので、追突事故は全ての賠償金は加害者が負担するという考えになります。しかし、本当にすべてを加害者に全額を支払わせるという認識は正しいのでしょうか?

結論から言うと、裁判ではなく話し合いでの解決(示談解決)を前提とするのであれば、治療費などの”出ていく”お金は、被害者としても抑えるように努力をすべきなのです。それが、最終的に被害者の利益になるからです。

なぜかというと、加害者の保険会社は、「支払保険金を抑えること」が最重要課題です。人身事故の120万円までは自賠責保険で賄われるので、任意保険会社の支出はありません。しかし、120万円を超えればその分は任意保険会社の負担となります。そうなれば、治療費の支払いも休業損害の支払いも交通費、そして慰謝料も全て同じ「賠償金」なのです。

だとすれば、治療費が多額にかかってしまった場合は、保険会社の立場として「では慰謝料を少なくしよう」と、考えて賠償金を計算をしてきます。治療費は示談前に直接病院へ支払われ、慰謝料は示談後に支払われるので、慰謝料は賠償金の調整に利用されやすいのです。

被害者が無過失だからといって、長期にわたり漫然と治療を受け続け、タクシーに乗り放題というのは、いたずらに賠償金を増やすことになり、結局は慰謝料が少なくなるという結果になります。被害者の立場であっても、出来る限り賠償金は抑えるように考えるのが戦略です。

*短期間の通院では、あまり重要なテクニックではありません。そもそも賠償金総額が小さいからです。
*治療費等が高額になっても慰謝料を少なく計算をしてこない担当者もいます。
*これは一つの考え方ですが、「被害者が賠償金の抑制」を考えるべきなのは全てに共通します。
*治療費の抑制は通院をするなという事ではありません。その方法を適切なものにするという意味です。

追突事故の過失割合

追突事故だからと言って、被害者が無過失になるとは限りません。無過失となるには、被追突車に相応の過失が発生する行動がなかったことが条件です。意味のない嫌がらせのためのブレーキ・急制動は被害者と言えども過失相殺の対象となります。

悪質な被追突車には5割の過失が認定されたという事もあり、追突事故だからと言って漫然と10:0で処理する事は考えずに、少しでも加害者の法令違反を指摘できれば、無過失というのは成り立たなくなります。

事故の届出をしなかったバスで乗客の保険を使用

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名古屋市営バス鳴尾営業所(南区)が、10年度に起きた乗客の車内転倒などの人身事故3件について、市バス側の自賠責や任意保険で治療費を支出せず、負傷した乗客が自分の医療保険で治療していたことが分かった。警察には届けたが、乗客の保険を使ったため営業所は「事故」として扱わなかった。(医療保険にはどのように報告していたのでしょう?虚偽の報告の可能性が高いです)

 市バス側が加入する保険で対応するケースだが、報告書には「(乗客の)けがの程度が軽微であったため、ご自分の健康保険や老人医療で受診される事を約束され、お許しをいただいた」と手書きで追記されていた。他の2件も同様の処理がされていた。(民事上は当事者が納得すれば示談は可能ですが、、、)

 鳴尾営業所の天野隆功所長は「交通事故の被害は加害者側が負担するもので、社会常識からして(3件の処理は)おかしい。(内規違反の)ポケットマネーで立て替えたかどうかも含めて調べている」。交通局自動車運転課の赤石哲治課長は「どう処理したかを把握しておらず、適切かどうかもわからない」と話した。

 名古屋市営バスの処理について、東京都交通局の担当者は「治療が長引いたり、後で症状が出たりすることもある。軽微だからといって相手に負担させず、バスの加入保険で対応した方が良い」と指摘。大阪市交通局の担当者は「乗客が治療費を負担してくれることは考えにくい」としている。

 名古屋市営バスでは、物損事故を警察や相手方に届けなかったことが判明し、愛知県警が各営業所を道交法違反容疑で家宅捜索している。(事故が発生したら必ず警察に届け出る義務があります。今回はこの義務違反です。)
<毎日>

Categories: 交通違反

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人身事故とは?~人身事故の定義~

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人身事故とは、交通事故によって人が受傷し怪我をした場合の事を言います。人身事故の定義とは、負傷者の診断書が警察に提出されて、警察が診断書を受理をした場合を言います。ここでの診断書とは、「交通事故によって受傷し何日間の加療を要する」という内容の病院書式の自由な診断書の事です。

人身事故になる時

警察は、交通事故の負傷に対する診断書が提出された際には、その交通事故を人身事故とします。人身事故では必ず事故の実況見分を行って検察庁に送検します。これにより人身事故に対する刑事処分が検察官によって吟味されます。また、これとは別に公安委員会より行政処分によって運転免許に対する違反点数が加算されます。つまり人身事故となった交通事故には、刑事処分と行政処分の2つの処分が別々に判断されて結果がでる”可能性”があります。

”可能性”と表現する理由は、軽微な事故などは、ほとんど刑事処分は行われず、行政処分のみとなる場合が殆どだからです。

加害者となると、刑事処分と行政処分とは別に民事、つまり損害賠償についての対応をしなくてはなりません。これは、被害者にも「請求をする」という観点から関係のある事です。

これが人身事故になる時の流れです。

人身事故にならない交通事故

すでに述べたとおり、警察に診断書が提出されると人身事故となります。よって、警察に診断書が提出されなければ人身事故とはなりません。怪我をして通院をしていても診断書がなければ人身事故にはなりません。この場合、原則として刑事処分などは行われない事となります。

そして、重要なのは、人身事故=通院=賠償金が発生するという事です。当事者には刑事処分や行政処分とは関係なく民事として必ず発生します。賠償金とは、治療費や慰謝料、休業損害等の事です。これらを立証し請求をするのは被害者の役割で、これを支払うのが加害者の役割となります。ただし、自動車事故の場合は、基本的に自賠責が使用できますが、賠償金については「人身事故の賠償金について」をご参照ください。

交通事故の全治期間とは?

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交通事故で受傷すると、最初の病院では「全治○○間」という診断書が作成されることがあります。これを警察に提出して人身事故とします。いわゆる、警察用診断書とよばれるもので、これには加r\ならず、全治機関が記載されています。

良くある質問で、「全治7日間と記載されていた場合には、7日間しか通院が出来ないのか?」というのがありますが、この全治期間によって、治療期間が直接制限を受けることはありません。全治7日間であっても3カ月6カ月通院している例はたくさんあります。

Categories: 医療関係費

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交通事故の示談は損保会社によって対応が違う?

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交通事故が発生して被害者となると、加害者の任意保険会社が被害者に対して示談交渉などを行います。基本的に物損と人身では担当者が異なりますが、一人の担当者が交通事故の処理に当たります。損保会社によって対応が悪いとか、示談が難航するなどといった話が聞かれますが、実際はどうなのでしょうか。

人身事故に限れば、損保ジャパンだから対応が悪いとか、示談が難航するなどといった決まりはありません。三井住友海上だからスマートに交通事故の処理が行われるといった決まりもありません。もちろん、各損保会社の方向性というのは存在しますが、会社名だけで「駄目だ」という区別はつけられません。

同じ保険会社であっても、良い時もあれば悪い時もあります。結局のところ、実務では担当者の交通事故処理能力次第で被害者に対する対応が変わってくるというのが実情です。担当者の上には上司や弁護士がいます。上司の上には会社がいます。交通事故の示談交渉では、担当者を納得させるのではなく、その裏に存在する上司が納得するであろう説明を必要とします。ただし、上司に報告するのは担当者なので、担当者が納得するのが前提です。

これをを理解すれば、被害者が担当者に怒鳴りつけるのはナンセンスだという事が理解できます。

異議申し立て~自賠責の査定に不満がある。

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交通事故の中でも、それが人身事故であれば加害者の自賠責保険から医療費や傷害慰謝料が支払われます。後遺障害と認定されれば、それに基づき後遺障害慰謝料や逸失利益が支払われます。

しかし、中には支払金額や後遺症認定に納得ができなかったりするなど、損害保険料率算出機構の調査結果に不満が出ることがあります。損害保険料率算出機構とは、自賠責保険の請求があったときに支払を決定するところです。その損害保険料率算出機構の決定に不満があれば、「異議申立」を行うことにより、再調査を依頼することができます。これは、何度でも出来ます。

また、一度限りになりますが、これとは別に自賠責保険・共済紛争処理機構に紛争の処理を申し立てることもできます。この自賠責保険・共済紛争処理機構は保険会社と被害者の紛争を解決するために作られた第三者機関です。

異議申し立ては書面で行い、面談等は一切行われません。

いかに、有効な書類を集め、損害の立証をするか、過失や損害金の認定、後遺傷害、その書類の完成度がポイントとなります。

なお、損保会社や共済組合はこの自賠責保険・共済紛争処理機構の決定に拘束されますが、被害者は拘束されません。どんな問題もそうですが、最終的には、裁判所の決定が最優先されます。

自賠責を請求するのは加害者?被害者?

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交通事故が発生して、それが人身事故の場合には、自賠責保険が使える。
わかっているのに、加害者?被害者?病院?警察? 言い合っている間に時効。

そんなことは無いとは言えないので、請求の主体は誰なのかをはっきりさせます。

自賠責保険の請求には二種類あります。加害者が請求する「加害者請求」法15条請求と被害者が請求する「被害者請求」法16条請求です。つまり請求者は二者で、加害者と被害者となります。

基本的にどちらでもOKですが、加害者請求の場合には、実際に加害者が被害者に賠償金を支払った後に請求という形になります。ですから、領収書が必要になります。

被害者請求の場合には、加害者との二重支払を避けるために、保険会社から加害者へ既に支払い済みの賠償金がないかが確認されます。さらに、加害者請求の意思の有無も確認されます。もちろん、被害者請求により自賠責保険金が支払われた場合には、保険会社より加害者へ通知が行き、二重払いを防ぐようにはなっています。

ちなみに、加害者請求と被害者請求が競合した場合には、加害者請求が優先されるという決まりがあります。

Categories: 自賠責保険

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同乗者には自賠責はつかえないのか?

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自賠責保険は人身事故の被害者を救済するための強制保険です。しかし、交通事故を起こした本人には適用がありません。

では、同乗者は自賠責保険金の請求はできるのでしょうか。

自賠責の同乗者

結論をいえば、同乗者が交通事故で傷害を負った場合には、自賠責保険の請求が出来ます。交通事故で自賠責保険が適用されるには「他人」であれば良く、運行供用者以外であれば良いのです。

同乗者が自賠責保険に請求を行うと、調査事務所から同乗に対して照会があります。この回答書によって、自賠責が適用できるか調査をしています。

以前、交通事故で本人の妻が怪我をしてしまった事がありました。この時、妻が自賠責でいう「他人」に該当するかが争われたことがありました。そのとき裁判所は、妻も自賠責でいう他人であると判断し、以来、同乗の妻にも自賠責保険が支払われるようになりました。

付け加えると、妻がOKなので友人、恋人が傷害を負った場合に、自賠責保険の請求ができるのはいうまでもありません。

Categories: 自賠責保険

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運転者など自分の怪我に自賠責は使える?

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自賠責保険は人身事故で発生した治療費、慰謝料、後遺症などの損害賠償金を支払う保険です。
では、交通事故を起こした本人には、適用があるのでしょうか。

残念ながら、自賠責は「被保険者以外の他人に対して支払う保険」という規定があるので、自賠責保険の名義人運転者本人の怪我には自分の自賠責を使用することは99%できません。

もちろん、相手側にも過失がある場合には、相手の自賠責が使用できます。

交通事故(人身事故)の刑事責任について

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人身事故を発生させると、加害者は刑事責責任を負うことになります。

(業務上過失致死傷等 刑法211条)

業務上必要な注意を怠って人を死傷させたものは、5年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金に処せられるとあります。

自動車の運転は、職業運転手でなく一般の運転手でも「業務」に該当します。

したがって、交通事故により人を死傷させた場合には、この条文により処罰される事になります。しかし、軽微な交通事故では、処罰されずに刑が免除される事が大半です。

というのが、07年6月11日までの事で、6月12日以降は第2項が新設され 「自動車を運転して前項前段の罪を犯した者は、傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」という自動車運転過失致死傷罪が施行されました。これにより法定刑が7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金へ引き上げられました。

危険運転致死傷 刑法208条の二

 
1、アルコール又は薬物の影響により正常な運転が 困難な状態で四輪以上の自動車を走行。

2、その進行を制御することが困難な高速度で、 その進行を制御する技能を有しないで四輪以上の自動車を走 行させ、よって人を死傷させた者。

3、人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に 進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な 交通の危険を生じさせる速度で二輪や四輪の自動車を運転。

4、赤色信号又はこれに 相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさ せる速度で四輪以上の自動車を運転

以上の理由により人を負傷せた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の 有期懲役に処せられるとあります。

Categories: 人身事故

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物損事故とは?

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交通事故による物的な損害は、「物損」として処理されます。

大抵の対象物は、自動車、バイク、自転車ですが、その他にも建物、道路設備、動物、営業損害なども
対象になります。

人身事故との大きな違いは下記のとおりです。
1.自賠責法が適用されず、民法709条の不法行為で処理される。
これは、自賠責法が適用されないため、自賠責からの支払が行われないということです。
もちろん運行供用者責任もありません。支払は保険会社、加害者が行います。

2.被害者が被害を加害者に対して立証しなければならない。
これは自賠責法が適用されないため、一般的な損害賠償と同じように、その被害の立証は被害者側にあります。さらにに、加害者に故意又は過失があることも立証しなければなりません。(自賠責の場合には、加害者側に立証責任がありました。)

Categories: 物損事故

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任意保険の種類と対象

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任意保険は、商品ごとにその補償対象などが異なりいくつかの種類があります。平成10年7月の自由化に伴ってその詳細は各社それぞれで、約款等により確認する必要があります。

ここでは代表的な保険を代表的な内容で紹介します。あくまでも代表的な内容となり、各社詳細が異なりますので確認が必要です。

1.対人賠償保険

保険証書に記載された自動車により、保有者その他正当な権限を有する者が、他人の生命、身体を害し法律上の損害賠償責任を負担することになった場合に、それをてん補する保険です。

簡単に言えば、通常の使用で人身事故を起こした場合に支払われる保険です。

もっとも、支払われるのは自賠責保険の対象部分を越える部分で、仮に自賠責保険未加入であった場合には、自賠責保険を超える部分だけしか支払われません。ゆえに、「上積み保険」とも言われます。

2.対物賠償保険

契約のある自動車により、その保有者その他正当な権限を有する者が、他人の財物を損傷させ法律上の損害賠償責任を負った場合に、それてん補する保険です。

簡単に言えば、通常の使用で物損事故を起こした場合に支払われる保険です。

車の修理代、代車費用、家屋や道路設備の損傷などですが、金額制限がある場合には、一事故単位での限度額になるので、道路設備は高額になるので注意が必要です。

3.車両保険

契約のある自動車が衝突、墜落、火災、盗難、台風、洪水、高潮などの偶然の事故によって損害を受けた場合に、その損害をてん補する保険です。

加害者がいる場合には、その加害者から支払われた賠償金を控除した金額が支払われます。

ただし、特に車両保険は対象損害の詳細が各社商品が異なっているので、約款などにより確認が必要です。

4.搭乗者傷害保険

契約のある自動車に搭乗中の者が、自動車の運行によって死傷した場合に支払われる保険です。発生した損害とは関係なしに、定額が支払われます。

5.無保険車傷害保険

被保険者が、無保険車の所有、使用または管理によって死亡し、又は後遺症が残った場合に支払われる保険です。

簡単に言えば、あたかも自分の車の保険が相手の車に契約されているようなものです。

被保険者の範囲は広く、その父母、配偶者、子または搭乗者も含みます。さらに、歩行中の交通事故にも適用され事があります。

6.自損事故保険

契約のある自動車の事故により保有者、運転者、搭乗者が負傷した場合で、自賠責保険、政府保障事業によってカバーされない損害をてん補する保険です。

自賠責3条の責任を負うものがいない場合に、自賠責保険等に準ずる補償が定額給付されます。

7.ドライバー保険

レンタカーや友人の車などの常時使用しない他人の自動車を運転したときを対象とした保険。借用車の任意保険よりも優先して使用することができます

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後遺症が残る時・交通事故の後遺症とは?

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交通事故後遺症というのは、以下の3点をいいます。

1.ケガが治ったとされたときに体に残った障害
2.一通り治療が終わあとに残った症状
3.治療したが完治せずに、症状改善の見込みのない固定した症状

上記の3点の状態から、治療6ヶ月を目安として医師が「症状固定」と判断したときに「後遺症」とみなされ、後遺障害診断書が発行されます。そして、自賠責によって後遺障害と認められれば交通事故の後遺症となり、後遺症として残った症状に対して金銭的な補償が行われます。

具体的に、後遺症と言われるものの代表例としては、身体の喪失(手足を失った)やその機能の低下(関節が動かなくなった)や痛み(疼痛)です。そして、後遺症の認定実務は、後遺障害等級表に準じて自賠責の調査事務所が行います。

後遺症の賠償金

ここで、注意したいのは後遺症に対して支払われる賠償金は二つあって、後遺症の慰謝料と傷害の慰謝料(通院慰謝料)は別だということです。つまり、後遺症が残った場合の損害賠償金の算定項目を大きくまとめると、以下の4点になります。

1.通常の傷害賠償金(治療費、慰謝料など)
2.後遺症に伴う将来の治療費、看護費(例外)
3.後遺症の慰謝料
4.後遺症の逸失利益

人身事故の賠償金が数千万円になる時は、その大半がこの後遺症の等級に対する賠償金によるものです。等級が認定されると最低でも75万円、上は4000万円以上1億円クラスの賠償金が支払われます。

ただし、交通事故の後遺症と認定される場合には、後遺障害の等級というものを自賠責から認定してもらわなければなりません。

後遺障害認定基準などの詳しい説明は交通事故戦略サポートの姉妹サイトをご参照ください。

結局、交通事故を起こしても免責される条件は?

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人身事故を起こした場合に、加害者に責任が発生しない条件は2つに限られています。

不可抗力や正当防衛による免責
 
例えば、雷や地震によって交通事故が起きた場合には、それは不可抗力によるものとして加害者は免責されます。さらに、正当防衛による免責もありますが、現実的ではないのでここでは取りあげません。
 
自賠法3条但書による免責

加害者が自賠法3条但書の条件をクリアした場合には、交通事故の責任は免責されませす。日本の法律では、被害者が加害者に対してその損害を立証し、故意または過失を立証ししなければなりませんが、自賠法3条に但書により、修正がなされています。 

これは、加害者が自賠法3条但書にある3つの条件をクリアしない限りは、無条件に交通事故の責任を負うという修正です。その3つの条件とは、

1、運行供用者及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかった事
2、被害者又は第三者に濃い又は過失が無かった事
3、自動車の構造上の欠陥又は機能の障害がなかったこと

です。

この立証は確実に行う必要があり、人身事故の場合には加害者に無過失責任を科したものと言われています。

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従業員の人身事故に会社の代表取締役個人が責任を負うことはあるのか?

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従業員が交通事故を起こした場合、会社(使用者)が責任を負う事は説明しています。

では、会社(使用者)ではなく、代表取締役個人が責任を負う事はあるのでしょうか。

従業員が交通事故を起こした場合に、代表取締役個人が責任を負う事になるには、その従業員を「選任・監督等の業務を執行できる地位」にあったかどうかが争点になります。なぜなら、民法715条2項に、「使用者に変わり事業を監督する者も、前項の責任を負う」とあるからです。

また、会社の規模、業務形態などの事実も考慮して決めます。

たとえば、会社の支店で発生した会社の従業員の交通事故については、本店の社長は責任を負わないことになるでしょう。

少し理解しにくいかもしれませんが、つまり、従業員を会社(使用者)に代わって監督するもの(代理監督者)は責任を負う場合があるということです。

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子が人身事故を起こした場合の親の責任は?

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子が自分名義の車で人身事故が起きた場合に、その親は賠償責任を負うのでしょうか。

子が成人している場合には、親だからといっても交通事故の責任を負う事は原則としてありません。しかし、交通事故を起こした本人が未成年の場合には、親が責任を負う事があります。

実際、親が責任を負うには下記2点が争点になります。

1、車の購入代金、ガソリン代等の維持費、使用状況、保管状況、保険加入名義その他の点
2、親子の共同生活あるいは経済依存等の関係

これらが認められるようなら、「親に責任を認める」とするのが裁判例です。

実務的にはやや「2」の争点が重視されるようです。なぜなら、子が親に経済的に依存しているということは、たとえ子が車の費用を負担していても、それは親の援助があるからこそ成り立っていると考えるからです。援助をする親には、その責任があるという事です。

なお、子が小学生以下の場合の交通事故は、その親は原則として責任を負う事になります。

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親が子に名義を貸した場合に責任の所在は?

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未成年者には、車輛の所有者としての名義を、その未成年の親が貸すのが一般的ですが、この時おきた人身事故については、親に責任はあるのでしょうか。

幼児と違い免許を取得できる程の子にもなると、当然にその交通事故の責任はあります。しかし、その親に対して責任があるかどうかは、車輛の状況によって異なってきます。

仮に親の責任が肯定されるとすれば、それは下記の2点が当てはまります。

1、運行を事実上支配、管理することができたこと。
2、社会通念上車の運行が社会に害悪をもたらすことができないよう、監視監督をすべき立場であったこと。

実務では同居などの人的関係、購入費用や維持費、保険料、保管状況などを考慮して決めています。

※厳密に言えば、上記は自賠責3条に基づく責任ですが、これとは別に、民法709条に基づき責任を追及することもできるのですが、実務的にかなりの困難が予想されます。なぜなら、「交通事故」と「親の懈怠」の間に相当因果関係を立証しなければならないからです。

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修理業者が人身事故を起こした場合にはユーザーにも責任はある?

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ユーザーに依頼され修理をし、試運転などの時に修理業者自身で交通事故を起こす場合があります。この時、修理業者は当然に交通事故の責任を負います。そして、通常の人身事故のように、運行供用者としてその所有者も責任を負うのかどうかという問題があります。

結論からいうと、修理業者に修理を依頼した場合はそれ以降、ユーザーは人身事故の責任を負いません。なぜなら、修理中はユーザーの支配から離れ、業者のみが試運転等をできるからです。(運行支配が無いと考え責任はありません)これは、業者に車を引き渡した時点からのことで、工場へのレッカー移動中も含まれます。

→運行供用者

自賠法では、「自賠責保険は被保険者以外の他人に対して支払う保険である」とあります。被保険者とは「事故のために自動車を運行のように供する者」とされていて、これを運行供用者といいます。

難しいことはさておき、交通事故では、この自賠責法で人身損害については運行供用者も責任を負うとされています。物損など常識的には、「運転者だけがその責任を負う」と思われがちですが、運転供用者も運転者同様に責任を負うのです。

運行供用者にあたるものとして、所有者、親などの名義人、会社などが上げられます。これは賠償責任者に直結することではありますが、この判断については多くの判例、学説があり簡単に判断できることではありません。

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元請業者は下請業者の人身事故の責任を負う?

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交通事故の運転者が会社の従業員であった場合には、その会社(使用者)は責任を負わなければなりません。しかし、従業員ではなく同じような立場の下請業者が交通事故を起こした場合にはどうなるのでしょうか。

従業員が事故を起こした場合に使用者が責任を負うのは、従業員が使用者の指揮監督下にあるからです。しかし請負の場合、法的には元請業者と下請業者は独立した存在であり、その責任も個別にあると考えられます。

しかし、下請業者が元請業者の指揮監督下にあり、通常の従業員と変わらない存在である場合には、元請にも責任が認めれます。

実際には、両者の一般的な関係や物的、資本関係や取引内容、自動車の使用状況などから総合的に決められます。下請けの人身事故の責任を元請けに追求するには、裁判所の判断を仰ぐ必要がある場合が多いです。

責任根拠:自賠責3条、民法使用者責任

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衣服や眼鏡が破損した場合

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交通事故にあってしまった場合に、衣服が破れたり眼鏡、入れ歯が壊れた場合には、その賠償金はどのような取扱いがなされるのでしょうか。
 

原則として、メガネコンタクトは必要かつ妥当な範囲で人身事故の損害として認められます。つまり、自賠責保険でも支払われるという事になります。しかし、着衣などは人身事故の自賠責保険では、認められませんが人身損害として認められる場合がります。というのは、支払基準では、衣着や腕時計は含まないとされているのですが、裁判例では着用衣服は含むとされているものが多いからです。
 

とりあえずは、身体に密着し、身体の機能を補完するものは人身事故の損害と覚えてください。いずれにしても、自賠責から支払われるものは自賠責で解決したいと考えるのが保険会社なので、それが物損なのか人損なのかは任意保険会社の判断に任せてしまったほうが良いでしょう。