通知書戦略! 自賠責保険編

[記事公開日]2010/11/18
[最終更新日]
自動車事故戦略サポート

ちょっと変わった通知書戦略?をご紹介します。

交通事故が人身事故の場合には、その被害者は自賠法16条に基づいて、被害者から保険会社に対して自賠責保険の請求ができます。これを被害者請求といいます。

そして、その自賠責保険が定められている自動車損害賠償保障法には、保険金等の支払が適正に行われるように、以下のようなことが定められています。

保険会社は保険金の請求がなされたときには以下のことを書面にて説明しなければならない。
(自賠法16条4-1)

1、支払基準の概要
2、保険金等の支払手続きの概要
3、指定紛争処理機関の概要

保険会社が保険金の支払をするときは以下のことを書面にて説明しなければならない。
(自賠法16条4-2)

1、事故年月日
2、傷害、後遺症、死亡による損害ごとの支払金額
3、後遺症の該当する等級及び当該判断の理由
4、重過失減額等を行った場合における減額割合及び当該判断の理由

保険会社は保険金を支払わないとしたときには以下のことを書面にて説明しなければならない。
(自賠法16条4-3)

1、交通事故の状況と概要
2、損害賠償責任がないと判断した場合はその判断理由
3、交通事故により損害が発生していないと判断した場合はその判断理由
4、悪意により免責と判断した場合はその理由

保険会社は上記の書面交付後にさらに説明を求められたときには30日以内に以下のことを書面にて説明しなければならない。
(自賠法16条の5-1)

1、交通事故状況の詳細
2、損害の細目及びその積算の詳細
3、後遺症等級の判断理由の詳細
4、重過失減額等を行った場合における減額割合の判断の理由の詳細
5、損害賠償責任がないと判断した場合はその判断理由の詳細
6、交通事故により損害が発生していないと判断した場合はその判断理由
7、悪意により免責と判断した場合はその理由の詳細

ここで大切なのは、最後の法16条の5-1「書面交付後さらに説明を求められた時の書面交付」です。

この書面には、それまでの書面の内容よりも詳細な説明がなされていなくてはなりません。そこで、必ず法16条の5-1に基づく詳細説明を求めます。詳細説明は「保険会社が説明する」と、条文に書いてあります。しかし、実際に回答をするのは調査事務所です。そして異議申し立ても調査事務所です。

そう、つまりこの詳細説明をもとにして異議申し立てをしてしまうのです。
相手の手の内が読めれば、それに沿う形で異議を申し立てれば、その効果は何倍にもなります。

たとえば、異議申し立ては書面で行います。どんな戦いも、相手の考えている事が明確な場合と不明確な場合では勝率が変わってくるのは当然です。是非、法16条5-1に基づく詳細説明戦略を実践してみてください。


:参考条文:

自動車損害賠償保障法(自賠法)

(書面の交付)

第十六条の四

2 保険会社は、保険金等の支払を行つたときは、遅滞なく、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、支払つた保険金等の金額、後遺症の該当する等   級、当該等級に該当すると判断した理由その他の保険金等の支払に関する重要な事項であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものを記載した書面を前項に規定   する請求を行つた被保険者又は被害者に交付しなければならない。

3 保険会社は、第三条ただし書に規定する事項の証明があつたことその他の理由により保険金等を支払わないこととしたときは、遅滞なく、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、支払を行わないこととした理由を記載した書面を第一項に規定する請求を行つた被保険者又は被害者に交付しなければならない。

(書面による説明等)

第十六条の五

保険会社は、前条第二項又は第三項の規定により書面を交付した後において、被保険者又は被害者から、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、書面により、保険金等の支払に関する重要な事項(同条第二項の国土交通省令・内閣府令で定める事項を除く。)であつて国土交通省令・内閣府令で定めるもの又は同条第三項に規定する支払を行わないこととした理由の詳細であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものについて説明を求められたときは、次項前段に規定する場合を除き、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、当該説明を求めた者に対し、書面により、当該説明を求められた事項を説明しなければならない。ただし、当該説明を求めた者の同意があるときは、書面以外の方法により説明することができる。

2 保険会社は、前項の規定により説明を求められた場合であつて第三者の権利利益を不当に害するおそれがあるときその他正当な理由があるときは、当該説明を求められた事項の全部又は一部について説明をしないことができる。この場合において、保険会社は、説明をしない旨及びその理由を記載した書面を当該説明を求めた者に交付しなければならない。

3 第一項の規定による説明又は前項の規定による書面の交付(次項において「説明等」という。)は、第一項の規定により説明を求められた日から起算して三十日以内にしなければならない。


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4 コメント on “通知書戦略! 自賠責保険編

  1. 追突事故(過失0%)の被害者です。むち打ち症で人身事故となっています。
    今回は被害車両の損害賠償請求について教えて下さい。
    事故に遭った車が経済的全損と評価され、新たに車の買い替えを余儀なくされましたが、この車買い替えに伴う諸費用の一部と残存車検費用を加害者側の保険会社に請求しようと考えています。
    そこで質問ですが、
    自賠法第16条に基づく被害者請求は人身傷害の損害賠償請求に限ったものでしょうか?
    また、今回のようなケースの物損の損害賠償請求は自賠法第16条と関係なく請求できますか?
    身近に聞ける人がおらず困っています。どうかご教授ください。宜しくお願いいたします。

    1. 自賠法16条の被害者請求は人損に限ったもので、車両損害は適用外となります。

  2. 先日 私の過失により事故を起こしてしまい、搭乗者に負傷を負わてしまいました。
    搭乗者がご自分の人身傷害保険を、適用して治療をしていますが、この場合どちらの自賠責保険から治療費、その他は支払われるのですか?

    また 自賠責保険を支払った保険会社は、誰にどのような内容の文章が、郵送されるのですか?
    詳しく知りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

    1. 双方に過失がある場合には、双方の自賠責保険に、一方のみに過失がある場合はその過失がある自賠責に請求となります。ただ、今回は人身傷害を使用しているとの事なので自賠責も代行しており自賠責からの連絡はありません。

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