カテゴリー: 後遺症障害

交通事故の後遺症について

労働能力喪失期間とは?

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後遺症障害の逸失利益の計算式は、

基礎年収×喪失率×ライプニッツ係数(喪失期間)

となっています。

喪失期間とは、交通事故によって負った後遺症障害によって、将来何年間収入に影響がでるかを予想して、その予想される期間分を予め賠償するという時に決める年数の事です。

喪失期間は、後遺症の程度によって個々に決めていきます。

例えば、後遺障害が14級9号の場合には2~5年、12級12号の場合には5~10年といったように、後遺障害の等級(級)と系列(号)によって決めていきます。いずれ治るだろう神経症状は低めに抑えられるのが一般的です。大抵任意保険会社が提示するのは14級で3年前後、12級で5年~7年くらいです。私の経験では12級13号を10年にするのは簡単ですが、14級9号を5年にするのは難しいという印象を受けています、

交通事故の賠償で問題になることが多いのが、この逸失利益の喪失期間です。なぜなら、喪失率のよう確かなに一定の基準が存在しないからです。

被害者としては、判例の傾向を十分に研究し加害者と対峙すると良いでしょう。

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交通事故での鎖骨骨折の後遺症について

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鎖骨骨折が交通事故で発生した場合は、手術をするかしないかで12級になるかならないかという話になります。不思議なもので鎖骨骨折の場合は、手術をしないでバンド固定などをした場合の方が12級になる確率が上がります。

これは、手術をしないと骨の変形が伴う事が多く、この骨の変形癒合自体が後遺障害の等級の対象となるからです。

鎖骨骨折で手術を行うと、骨がきれいに戻る事が多いのでこの場合は後遺障害非該当か14級となります。もちろん、12級の可能性が無いわけではありません。とはいっても、現実は漫然と後遺障害の申請を行えば非該当になってしまいますが。

いずれにしても、手術をすれば手術痕が残り、手術をしなくても骨の変形が残る鎖骨の骨折では、手術痕が後遺症とならない事を考えれば、手術はしない方が戦略ではないでしょうか。

もちろん、鎖骨の骨折の程度によって手術断行の場合もありますが、どちらか迷う状態であればメリットとデメリットを比較して後遺障害の等級を取りに行く事も考えて良いと思います。

鎖骨骨折の後遺症についてより詳しい事はこちらをご覧ください→鎖骨骨折

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PTSD・交通事故の恐怖がストレスになり日常生活に支障

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交通事故のショックが原因で社会生活や日常生活に支障をきたす場合があります。PTSD、心的外傷後ストレス障害とよばれるもので、わかりやすく言えば、トラウマです。

この交通事故が原因で、不幸にもPTSDになってしまった場合には、それに対しての損害賠償がなされなければなりません。しかし、PTSDの示談で問題になるのが、下記による問題です。

1.PTSDであるかどうか
2.後遺症に該当するか
3.喪失期間をどうするか

1について、PTSDを引き起こす体験とは、アメリカ精神医学会が定めた定義「実際にまたは危うく死ぬまたは重症を負うような出来事、または自分または他人の身体の保全に迫る危険を体験し、目撃し、または直面したことで、強い恐怖、無力感または戦慄を伴うもの」と、世界保健機構WHOが定めた定義「ほとんど誰にでも苦悩を引き起こすような、例外的に著しく驚異的な、あるいは破局的な性格をもった、ストレスの多い出来事あるいは状況」とされています。

この様な事を交通事故で体験をした結果、自動車が怖くて外出ができなくなったり、思考行動が停止するフラッシュバックのような純粋な精神症状が起きます。この、原因と症状があって、PTSDとされるのですが、まず最初にこれが認められるかが問題になります。

2については、自賠責保険ではPTSDを後遺症認定する場合、14級の「外傷性神経症」を認定しています。しかし、これでは等級が低すぎるという現実があります。そのため、訴訟が多くなっていますが、いまだPTSDの基準は確立していません。そして、多くの裁判所がPTSDを否定しています。しかし、中には後遺症等級 7級を認めた例もあります。

3については、PTSDの性質上、非常に困難な認定になります。
PTSDを後遺症と認定し、その喪失率を段階的に認めた裁判例をひとつご紹介します。

症状固定後、5年間は8級と9級の間として40%の喪失率を認めて、その後の5年間は11級、さらにその後5年間は14級を認めたもの。

このように、PTSDの喪失率は段階的に変化をもたせます。やはり、症状がどの程度か、いつまでか、事故との因果関係などから、喪失率の算定はケースバイケースにならざるを得ません。

no,この他にも、CRPSという「複雑な原因によって生成する限局した疼痛症候群」というのがあります。中でも神経損傷を伴う激しい疼痛を伴うのをカウザルギーといい、神経損傷を伴わないものをRSDといいます。

PTSDにせよ、カウザウギーにせよ、RSDにせよ、示談レベルでの解決は難しく、きちんと説明が出来れば良いのですが、説明が出来ないと訴訟等に頼ることが多いです。早急に客観的基準の確立が求められます。

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鞭打ち(むちうち)・頚椎捻挫の場合の後遺症認定

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はじめにお断りをしておきますが、頚椎捻挫(むちうち)で後遺障害の等級が取れず慰謝料が支払われないという事はありません。そして、頸椎捻挫だけで賠償金が1000万円を超えたりしたという話は、逆にいえば、その被害者は後遺障害の等級を取っているという事です。

鞭打ち(むちうち)・頚椎捻挫は、交通事故処理のなかでもよく揉める事が多い症状です。なぜかというと、鞭打ち(むちうち)・頚椎捻挫の中には、医者から診て症状が他覚的に判断できない、いわゆる、「自覚症状のみ」のとなるからです。悪い被害者の中には、このむち打ちをエサに「首が痛い」と言って慰謝料をふんだくろうと考える輩もいます。(その昔、半年間の通院で14等級、一年の通院で12等級が認められていましたが、そういった事は現在ではありえません。)そういった輩がいるので、むちうちというと「お金目当てか」などと思われ、乱暴な損保会社の担当者から「もう十分でしょ。いつまで通院するんですか!」などと心ない言葉を発せられる事もあります。

しかし、もちろん、鞭打ち(むちうち)は立派な交通事故による損害なので、むちうち頚椎捻挫)に対してはきちんと慰謝料の支払いなどの損害賠償がなされます

そして、後遺症と判断され後遺障害の等級が取れれば、慰謝料や逸失利益もも支払われます。するといっきに賠償金は跳ね上がってしまいます。後遺障害についてむちうち症の場合、後遺症には3つのレベルがあります。それを以下でご説明します。

頚椎捻挫とむちうち

むちうちの最上位レベル

「他覚的所見によって医学的に証明される」むち打ち|むちうち|頚椎捻挫、つまり、医者がMRI,レントゲン、脳波検査などによって裏付けができる場合です。この場合、神経学的所見が一致していれば後遺症等級は12級13号に該当します。

むちうちの通常レベル

「医学的に証明しうる精神神経学症状は明らかではないが、頭痛、めまい、疲労感などの自覚症状が単なる故意の誇張ではないと医学的に推定される場合」、つまり、むち打ちの症状が、MRI、レントゲン、脳波検査などによって確実に証明できない時、精神的なものであることが医学的に推定される場合です。この場合、後遺症認定は14級9号に該当します。

むちうちの残念レベル

「自覚症状に対して医学的に推定することが困難な場合。事故と因果関係がない場合」、つまり、本人以外は誰もむち打ちを確認できず、さらに医学的に頚椎捻挫の可能性が推定できないときの場合です。この場合、後遺症認定は非該当となります。

以上の3つのレベルに分けた場合、「むちうちの通常レベル」がもっとも後遺症等級を獲得するのに困難な状態と言えます。困難だからこそ相応の準備が必要で、準備が整えばこれらの症状でも等級は認定されるのです。

なお、むち打ち症は医学用語で「頚椎捻挫」や「頸部損傷」などといいます。他にも、推間板損傷など世間一般では広い意味で一括してむちうちと呼んでいるみたいですが、「腰痛」みたいなもので、正確性が求められる交通事故処理で、むち打ちと一括して呼ぶのには違和感があります。

それはさておき、文頭で「よく揉める」と書きましたが、それは、「自覚症状に対して医学的に推定することが困難な場合。事故と因果関係がない場合」です。むちうちが立証できなければ損害を立証できず、損害は賠償されないからです。

次に、むち打ち|むちうち|頚椎捻挫が後遺症認定とされた場合に注意したいのが、逸失利益の労働能力喪失期間と喪失率が限定されるところにあります。12級で5年から10年の喪失期間で14%の喪失率、14級で5年以下の喪失期間で5%の喪失率を認める例が多いです。

それと、休業損害です。例えば1年間通院した場合に、半年間は全休、残りの半年間は半休としたりします。

また、入通院慰謝料も特別に減額計算され、裁判所基準では6カ月の通院で89万円となり、通常の慰謝料である116万円の約80%となっています。

頸部捻挫の症状固定日以後の入通院について、首から腰に症状が移る事が考えられないこと、性格がヒステリーである可能性が高いこと、存在すると主張する症状の改善の兆しが見られないのにもかかわらず、通院が3年以上にも及ぶことなどの不自然不合理性により、誇張の疑いが強いとして事故との因果関係を認めなかったもの。(大阪地裁昭和57年判決)

被害者の症状は、被害者の特殊体質を土台に賠償問題解決の欲求が引き金となって発症した神経症であり、それは後遺症に該当する範疇であるが、心因的なものにより、事故との因果関係のある範囲は事故後6ヶ月間の慰謝料と甲池沼14等級に基づく逸失利益と慰謝料に限定すべきであるとしたもの。(名古屋地裁昭和 57年判決)

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後遺症の逸失利益は、どんなときでも必ず算定するのか?

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交通事故で後遺症が残った場合には、その等級に応じた逸失利益が損害として算定されます。逸失利益とは、後遺症を負ったことにより、交通事故前の収入よりも減少する分をいいます。

しかし、実際に交通事故で後遺症を負ったものの、交通事故前の収入と同じ収入を得られることもあります。このような場合にはどうなるのでしょうか?

実務では、後遺症の逸失利益の計算においては、実際の差額を計算するのではなく、年収と労働喪失率からその損害額を計算します。

ところが、実際に収入の減少が全く無いとすると、逸失利益の算定は、”損害の賠償”という目的からかけ離れてしまいます。

そこで最高裁では「後遺症の程度が比較的軽微であって、しかも被害者が従事する職業の性質から見て現在又は将来における収入の減少も認められないときは、特段の事情が無い限り労働能力の一部喪失を理由とする財産上の損害を認める余地は無いというべきである」としました。

つまり、後遺症の程度が軽微で、この先収入の減少が無いと言えるときは、後遺症による逸失利益は認められないということです。

任意保険会社との交渉では、労働喪失率と現実収入で何時質率を算定する事が多いですが、等級が高ければ高い程、実際の収入減を見られます。

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後遺症が請求できなくなるのはいつか?請求の時効

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交通事故による損害賠償の請求は、損害および加害者を知ったときから3年で時効になります。3年が経過すると支払いを強制することができなくなります。

しかし、後遺症の発生するのが、交通事故後の2年11ヶ月だったりすると、あと一ヶ月で時効になってしまうのではないかという不安が生じます。

この点、実務では、後遺症に限り「症状固定のときより3年」といった取り扱いがなされています。裁判でもこういった判決が出されており、この考えに従うのが一般的です。

症状固定、つまり後遺症と認定されたときより3年時効というのが一般的ではありますが、ある程度予想できる後遺症については、交通事故の発生日より3年とする裁判例も出されており注意が必要です。

このような「交通事故後3年」が経過しようとするきわどい時期にさしかかった場合には、債務承諾書か裁判上の手続きを取ることによって時効の成立を防ぐことができます。

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後遺症に応じて生じた自動車や家屋改造費は請求できるのか?

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交通事故による後遺症が発生した場合に、自動車や家屋の改造が必要になる場合があります。車椅子ならば、段差をなくしたり、リフトを付けたり、右足切断ならば、左足で運転できるように車を改造する必要があります。このような費用は、相当程度の実費を請求することができます。

下記が裁判所が過去に認めた事例です

右足を半分以上切断した場合に、その住宅の日本間を洋間に、浴室や便所や台所の配置を改め、滑らないように改善する等の費用を認めたもの。

車椅子でも不便がないように、庭にコンクリートの道を作る費用を認めたもの。

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外国人の後遺症は何か違うのか?

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所得水準や物価水準が違う外国人が、日本で交通事故にあい後遺症が発生した場合に、日本人と同等の賠償金算定方法で良いのかという問題があります。

これに対しては、その外国人の立場によって算定基準が変わってきます。

在留資格のある間は、一般的に「日本の水準で算定し、在留資格のない場合は、母国の所得水準、物価水準、貨幣価値を考慮して日本国内の水準を修正して算定します。

しかしこの問題は、まだまだ過去の事例が少ないので賠償金算定にはかなりの困難を極めるといえます。

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後遺障害等級に該当しなくても慰謝料は請求できるのか?

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通常、交通事故で後遺症と認定されるには、「後遺障害等級表に該当する」という自賠責の調査事務所から認定をもらう必要があります。(例外として、裁判所による認定もあります)

通常は、調査事務所の認定に従い後遺症に対する慰謝料、逸失利益が支払われるのです。しかし、個々の事案によっては、後遺症と思われるのに交通事故の後遺障害と認定されない場合があります。

そうなると、自賠責からの等級認定が必要な後遺症に対する慰謝料や逸失利益の賠償金は、交通事故の賠償金として算定されません。

このような場合には、後遺障害認定に対する異議申し立てを行うことができます。

しかし、この異議申し立ては「再度調査をしてくれ」という事なので、調査事務所が一度決めた事を覆えすのには、相当な根拠がなければなりません。専門家の作成する異議申し立てには、それを根拠付けるだけの説得力のあるテクニックが満載されています。(専門家の力量にも寄りますが)

他には、裁判所を使う手があります。

裁判所は、調査事務所の認定とは関係なく独自に後遺症を認定します。裁判所の決定には法的拘束力が伴うので、加害者、保険会社は従うしかありません。

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後遺症の将来の治療費、介護費などは認められるのか?

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後遺症と認定されると、それまでの治療費、慰謝料とは別にその賠償金が支払われます。そして、「症状固定」つまり後遺症と認定されると、以後の治療費等は支払われないのが通常です。(回復の見込みがないため)

実務では、加害者側(保険会社)は症状固定を急ぐ傾向にあります。症状固定になれば、それ以降の治療費や休業損害の支払い義務はないからです。

しかし、症状の内容、程度により症状の悪化を防ぐ必要性があるときには、その費用が認められ、寝たきりの場合には介護費が認められます。

特に植物人間になってしまった場合には、将来の治療費が損害として認められるものが多いです。また、整形手術を受ける場合にも、交通事故から何年か置いてから手術をしたほうが良い場合があります。

いずれの場合も、医師の診断書や見積書を元に、その必要性を決めていきます。

示談後に後遺症が出てきたが、再交渉はできるのか?

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示談成立後、つまり示談書にサインをした後に、後遺症が現れた場合には、その賠償金は請求できるのでしょうか。

一般的に示談書には「債権債務のないことを確認する」といった一文が入っていて、示談成立後には、示談書に書かれていない請求は出来ないことになっています。つまり、その後は一切、新たな請求はできない事になっています。

しかし、過去に、示談成立後に交通事故が原因で重大な後遺症があらわれて、それに対しての損害賠償請求が出来るかどうかが、裁判で争われたことがありました。

結論をいうと、示談時に予想できなかった後遺症が発生した場合には、別途加害者に損害を請求できるとなりました。

注意点は以下の2つです。

1、この請求するときは、交通事故による症状であることを被害者が立証しなければなりません。

一般的に交通事故からの期間が長いほど、立証が難しくなります。

2、示談時に予想外の症状でなくてはなりません。以前よりも首が痛くなったという程度ではだめです。

示談ではよくトラブル回避のために、示談書には「将来、本件事故が原因で後遺症が発生したときは別途協議する」という一文を入れることもあります。

いずれにせよ、示談書の作成の時に「後遺障害が自賠責により認定された時は別途協議する」と一文を加えた方が良いでしょう。

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労働喪失率とは?

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労働喪失率とは、後遺症を負った被害者が、その後遺症によってどの程度の労働力を喪失したのかを表すものです。後遺症の該当等級の喪失率を被害者の逸失利益に掛けてその額を損害額にします。

例えば、

・年収500万円の人が14等級の後遺症を負った場合に

500万×5/100(労働喪失率)=5万

・年収1000万の人が7等級の後遺症を追った場合に

1000万×56/100(労働喪失率)=560万

といった具合に、それぞれ5万円と560万円が後遺症の逸失利益として賠償金として算定されます。

障害等級 喪失率
第 1級 100/100
第 2級 100/100
第 3級 100/100
第 4級 92/100
第 5級 79/100
第 6級 67/100
第 7級 56/100
第 8級 45/100
第 9級 35/100
第10級 27/100
第11級 20/100
第12級 14/100
第13級 9/100
第14級 5/100

この労働喪失率は、自賠責で定められているものですが、実はなんら科学的根拠がありません。後遺症の等級それぞれに該当する労働喪失率は、労災の傷害補償日数を10で割ったものに過ぎません。例えば、労災では10級の場合には平均賃金の270日分が保障されますが、自賠責での10等級の労働喪失率は27%です。障害12級は、労災では140日分なので自賠責では14%となっています。

常識的に考えて、障害補償日数を単純に10で割れば、労働喪失率が出ることは考えられず、適当さが伺えます。

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ライプニッツ係数とは?

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ライプニッツ係数とは、将来受け取るはずの金銭を前倒しで受けたるために得られた利益を控除するために使う指数です。専門的には「中間利息を控除する」といいます。(特に後遺症の逸失利益という賠償金を計算するときに使用します。)

例えば、一年後に50万円を受け取るはずだったものを事前にもらったとします。すると、50万円は1年早く手に入れる事になるので、1年という期間の利益が発生する事になります。交通事故にあったがために、被害者が余分な利益を得るのは妥当でないとして、一年分の利息が差し引かれることになります。差し引かれるのは民法で定まっている年利5%で、受け取れる金額は、

50万-(50万×5%)= 47万5千円

となります。
(低金利の時代にこの5%というのには批判があります)

これが一年ではなく二年となると、

50万ー{(50万ー50万×5%)×5%}

となり複雑です。

これを計算しやすくした数値がライプニッツ係数というもので、50万円を10年間にわたって毎年得るものを一括で支払う場合には、

50万×10年×7,722(10年に相応するライプニッツ係数)=386万

となり、その単純合計金額にライプニッツ係数を掛ければ、金額が算定できるようになっています。

ライプニッツ係数とは、交通事故の後遺障害逸失利益と死亡逸失利益を算定する時に使用するもので、その喪失期間に相応するライプニッツ係数を適用します。

後遺障害の逸失利益の計算例
500万円(年収)×2.723(3年のライプ)×5%(喪失率)=680.750円

ライプニッツ係数のもとになる喪失期間については喪失期間で詳しく説明していきたいと思います。

ライプニッツ係数

ライプニッツ係数を使用する場面は大きく分けて2つあるので紹介します。

生涯賃金の算定時に使用するもの

就労可能年数とライプニッツ係数

平均余命年数に対しての賠償金の算定時に使用するもの
ex、将来の治療費、後遺症の介護費や将来必要な器具等の一括払い

平均余命年数とライプニッツ係数

なお、ライプニッツ係数と同じ概念のホフマン係数というものもありますが、現在ではライプニッツ係数の利用が一般的です。

民法改正で年利が変わる

ところで民法が改正され、中間利息を控除するときの「民法で定まっている年利5%」が変更されます。今までも「低金利の時代に年利5%は高すぎる」という批判がありましたが、民法改正後の3年間は年利が3パーセントになります。そして後は3年ごとに法務省が年利を決めることになりました。

年利が変わると、当然ライプニッツ係数も変わります。

たとえば、3年の現行ライプニッツ係数は2.72ですが、改正後の3年のライプニッツ係数は2.82です。

5年だと4.32が4.57
10年だと7.72が8.53
20年だと12.46が14.8

と変更されます。

交通事故後遺障害・裏・等級認定戦略サポートのサイト

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後遺症で減収があった場合は?逸失利益

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交通事故の後遺症によって減収があった場合は、その年齢、収入、等級に応じて逸失利益という賠償金が一括請求されます。

算定方法は下記の通りです。

年収×労働喪失率×ライプニッツ係数

本来は、現実に減収があった金額を算定すべきですが、将来的にどういった減収状態になるのかは実質認定不可能なので、実務ではこのように推測的な計算方法によります。

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後遺症で仕事、家事ができなくなった。やりにくくなった。(逸失利益)

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交通事故の後遺症が原因で、仕事や家事が正常に行えなくなる場合があります。これに対しては、後遺症の慰謝料とは別に逸失利益という賠償金を算定します。算定方法は、後遺症等級に該当する労働能力喪失率をもとに年収から算定されるのが一般的です。

例えば、年収1000万の被害者が、5級の後遺症に認定されたとします。
すると79%の労働能力を喪失したとされますので、

1000万×79%=790万

となり、790万円が損害金として算定されます。これが逸失利益です。

この、この790万円は、労働可能年数分認めれます。
労働可能年数が10年なら、

790万×7,722(ライプニッツ係数)=6100万3800円

となり、6100万3800円が逸失利益として算定されます。ライプニッツ係数とは、中間利息を控除するときに使用する係数です。

ただ、実務では、その症状により年数の増減が行われたり、年数を区切って喪失率を低減させたりする方法が取られるのが一般的です。

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後遺症の認定に不満があるのだが。どうにかならないか。

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交通事故の後遺障害認定に不服がる場合にはどのような方法で異議を申し立てるのか?

不幸にも交通事故に遭い、治療6ヶ月が経過して医師が症状固定と判断した場合には、自賠責保険(共済)に対して後遺症であることを申請します。

後遺障害は14等級、140種類に分かれている後遺障害等級に該当するのか、しないのかで判断されます。症状が後遺症に該当しないと判断されると、「非該当」の通知がなされます。

この「非該当」通知に不服がある場合には、自賠責に対して異議申立てを行う事が出来ます。もちろん、等級が低いと思われるときにも異議申し立てが可能です。異議申立ての書式は自由ですが、非該当を後遺障害認定に変更させるだけの説得力あるものが求められます。具体的には、被害者の思いや新たな医証などが必要でしょう。

異議申立ては、何度でも出来ます。納得に行くまで行うと良いでしょう。ただし、後遺障害の被害者請求では、3年で時効になりますので、自賠責に対する時効の中断手続きが必要になります。

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後遺症に対する慰謝料金額は?

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交通事故で後遺症が残った場合には、それに対して慰謝料が支払われます。それにはまず、後遺障害が認定されなければなりません。

そして、後遺症が認定されると、その等級に応じた慰謝料が支払われます。

そして、その等級に対する慰謝料の金額基準は下記3種類があります。

・裁判所基準(弁護士会基準)
・任意保険基準
・自賠責基準

等級 裁判所の慰謝料(平均) 任意保険の慰謝料 自賠責保険の慰謝料
1級 2600~3000万円(2800) 1300万円 1100万円
2級 2200~2600万円(2370) 1120万円 958万円
3級 1800~2200万円(1990) 950万円 829万円
4級 1500~1800万円(1670) 800万円 712万円
5級 1300~1500万円(1400) 700万円 599万円
6級 1100~1300万円(1180) 600万円 498万円
7級 900~1100万円(1000) 500万円 409万円
8級 750~870万円(830) 400万円 324万円
9級 600~700万円(690) 300万円 245万円
10級 480~570万円(550) 200万円 187万円
11級 360~430万円(420) 150万円 135万円
12級 250~300万円(290) 100万円 93万円
13級 160~190万円(180) 60万円 57万円
14級 90~120万円(110) 40万円 32万円

後遺症の慰謝料以外に、慰謝料のほかに「後遺症による逸失利益」という賠償金項目があります。

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後遺症は誰がどうやって後遺障害と決めるのか?請求の仕方は?

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交通事故の後遺症は医師が「症状固定」と判断したときに後遺症となります。決して任保険保険会社が決めるものではないので注意したいです。交通事故の後遺症とは具体的には、失明、半身不随、関節不良、神経痛などで、医学的にはそれ以上に回復が認められない場合を言います。

手続きは、受傷後6ヶ月を目安に医師が後遺症と判断すると「後遺障害診断書」というものを書きます。それを自賠責保険会社に提出します。その診断書の内容を基本に「損害保険料率算出機構」が後遺障害等級表に該当するかを判断して決めます。注意点は、後遺障害診断書だけが重要ではないという事です。

後遺症の初回申請の場合では、結果が出るまでの期間は大体40日ぐらいです。正確にはこの決定を経て初めて交通事故上の後遺障害となります。つまり、後遺症の賠償金算定のスタートラインに立つのです。

この後遺症の認定は基本的に書類審査になるので、医師に症状をしっかりと伝えることが大切です。後遺症の等級を決定する際に面談が無い以上は、書面で正確に伝える事が、正しい後遺症認定の判断を導くのです。

→後遺症申請サポート

一般的に交通事故上の後遺症と認定され慰謝料や逸失利益を算定するには、原則としてこの調査事務所の認定が必要になります。

この流れを簡潔にまとめると下記のようになります。
 

医師による後遺障害診断書の作成

調査事務所が交通事故上の後遺障害の等級に該当するかを判断

後遺障害等級が決定し「後遺障害」となる。

等級に基づき自賠責保険より賠償金が支払われる。

任意保険会社と賠償金の上乗交渉をする→完全成功報酬の慰謝料増額サポート

この流れは、単純に後遺障害の申請だけを説明したもので、等級を取りに行く為には、他にも戦略が必要になります。

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後遺症が残る時・交通事故の後遺症とは?

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交通事故後遺症というのは、以下の3点をいいます。

1.ケガが治ったとされたときに体に残った障害
2.一通り治療が終わあとに残った症状
3.治療したが完治せずに、症状改善の見込みのない固定した症状

上記の3点の状態から、治療6ヶ月を目安として医師が「症状固定」と判断したときに「後遺症」とみなされ、後遺障害診断書が発行されます。そして、自賠責によって後遺障害と認められれば交通事故の後遺症となり、後遺症として残った症状に対して金銭的な補償が行われます。

具体的に、後遺症と言われるものの代表例としては、身体の喪失(手足を失った)やその機能の低下(関節が動かなくなった)や痛み(疼痛)です。そして、後遺症の認定実務は、後遺障害等級表に準じて自賠責の調査事務所が行います。

後遺症の賠償金

ここで、注意したいのは後遺症に対して支払われる賠償金は二つあって、後遺症の慰謝料と傷害の慰謝料(通院慰謝料)は別だということです。つまり、後遺症が残った場合の損害賠償金の算定項目を大きくまとめると、以下の4点になります。

1.通常の傷害賠償金(治療費、慰謝料など)
2.後遺症に伴う将来の治療費、看護費(例外)
3.後遺症の慰謝料
4.後遺症の逸失利益

人身事故の賠償金が数千万円になる時は、その大半がこの後遺症の等級に対する賠償金によるものです。等級が認定されると最低でも75万円、上は4000万円以上1億円クラスの賠償金が支払われます。

ただし、交通事故の後遺症と認定される場合には、後遺障害の等級というものを自賠責から認定してもらわなければなりません。

後遺障害認定基準などの詳しい説明は交通事故戦略サポートの姉妹サイトをご参照ください。