交通事故で労災保険は使うべき?

[記事公開日]2011/10/15
[最終更新日]
自動車事故戦略サポート

勤務中や通勤等中の交通事故では、労災保険が使用できます。

被害者が労災保険を使用して給付を受けた場合は、後日労災は加害者(加害者の保険会社)に請求を行うので、結局は加害者が賠償金を負担する事になります。

ただし、双方に過失が発生する事故では、労災が給付した金額全てではありません。加害者が負担するのは「加害者の過失分」だけで、残りは労災が負担してくれるので労災を使用する選択になりますが、自賠責上限の120万円で足りると予想される場合には、わざわざ労災の手続きをしなくとも被害者に過失分の負担はありません。(自賠責で重過失減額されない事故に限る)つまりこの場合は、労災を使用しない選択が一般的です。

では、追突事故などで被害者に過失がない無過失事故の場合はどうなのでしょうか。

これは、被害者の自由な選択でどちらでも構いません。なぜならば、労災が支給した金額全てが加害者に請求されるので結局は加害者が全額支払うことになり、また、いずれの場合も被害者にも何ら金額的負担は発生しないからです。(突き詰めていけば、労災の選択となりますが、ここでは自由な選択としておきます)

また、労災には慰謝料という概念がありませんので、交通事故の慰謝料は労災ではなく加害者側から支払われる事になります。

ただし、休業損害や後遺障害が発生した場合はこの考えとは違う考え方になります。

休業損害が発生した場合の補償は、労災から休業補償として6割が支給されます。残りの4割を加害者側が支払うことになります。保険会社に対する休業損害の請求では、しばしばその請求期間がいつまでなのか?という争いが生じます。これに比べると、労災の休業補償は緩やか(ただし、個々の案件によって異なる)です。その緩やかな基準で支払われた期間は、保険会社も合わせて支払ってくる場合が大多数なので、保険会社と休業損害の交渉を行う手間が省けるというメリットも考えれば労災の適用も考えられます。

さらにもう1つ、交通事故で労災を使用すると特別支給金という賃金の2割分が支給されます。これは加害者とは全く関係ない次元にあるものなので、お見舞金と同じ性質で「給料の2割が多くもらえる」という感覚で受け取れるというメリットもあります。

以上、交通事故で労災は使用するべきか?述べましたが、これは一つの考え方で正解ではありません。ただ、一つ言える事で間違いがないのは、迷った時は労災を使用する選択です。これによる実害はないからです。

会社が労災を使用すると嫌がる?というデメリットについて


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16 thoughts on “交通事故で労災保険は使うべき?

  1. 自転車同士の事故で20か所近い打撲挫傷の怪我をして治療も通院中です。怪我の原因は私が交差点通過後に 相手が自宅の駐輪場から乗車した状態で歩道へ突然飛び出し 歩道を普通に走行中の私の肩よりほんの少し前方へ直角にぶつかって来た為に 速度が出ていなかったので 自転車ごと足元をすくわれた様にその場に転倒したからです。お互い保険がなくこちらの労災の手続きを進めていましたが 最近になって相手の保険会社が急に入ってきて自転車事故はどちらにも過失があると言うのです。駐輪場出入り口はトンネルの様になっていて 外部からは直前まで来ないと見えません。そこに出入り口がある事すら把握しておらず 突然鉄砲玉に当った様な気がしてなりません。相手は擦り傷だけで事故当日も1時間程かけて通学していましたが 「弁護士に聞き一応翌日病院へ行き 何ともなかった」という返事です。こちらには保険がなく示談の上手い保険屋に騙されてしまうかもしれないという心配があります。事故直前は交差点を渡っており 交差点は横断歩道の前後で ガードレールが湾曲しているので スピードは出せず ブレーキをかけて緩めた状態で通過し その直後だった為 こちらに落ち度があるとは思えません。こちらに弁護士等がいない場合 対応は保険屋の言いなりになってしまうのでしょうか。

    1. りんご様 >こちらに弁護士等がいない場合 対応は保険屋の言いなりになってしまうのでしょうか。
      言いなりになる必要はまったくないと思います。こちらが今回の事故において不可避であったことが立証できるのであれば、相手がたとえ弁護士を出してきたとしても過失は認められません。もしりんご様が車に乗られていて弁護士特約に加入されている場合もしくは、りんご様が未婚でかつ両親が弁護士特約に入られている場合においては、使用できるケースもありますので、念のためご確認ください。

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