交通事故の人身事故に対する慰謝料の金額は?

[記事公開日]2010/11/02
[最終更新日]
自動車事故戦略サポート

人身事故で慰謝料が支払われるのは交通事故の受傷によって入通院を行った時だけです。交通事故で物損事故で入通院がない場合は慰謝料は支払われません。

人身事故の慰謝料は2種類ある

交通事故の慰謝料は2種類あります。それは別々に計算される次の2つです。

1、人身事故の慰謝料(通院慰謝料・傷害慰謝料ともいう)
2、後遺障害の慰謝料

1、人身事故の慰謝料とは、交通事故で入通院をした場合に認められる賠償金の一つですが、被害者がこうむった精神的な負担に対する損害の事をいい、実務では入通院慰謝料や傷害慰謝料と表現します。そして、この慰謝料の金額は、入通院の日数(後述)と受傷の程度の2つで決まります。逆にいえば、慰謝料が計算できない時もあり、それは人身事故で通院が全くない場合という事になります。

2、後遺障害の慰謝料とは、後遺症が認定された時に通院慰謝料とは別に支払われる慰謝料で、1~14級に分かれている後遺障害の認定等級によって金額が決まります。ちなみに、交通事故の賠償金の7割がこの後遺症によるものといわれています。

つまり、人身事故の慰謝料は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2つがあるという事になりますが、現在ではいくつもの実務の積み重ねによって、これら交通事故の慰謝料には一定の基準が存在し、ある程度の事前計算が可能となっています。

ただ、その人身事故の慰謝料基準は3種類あり、ケースバイケースで適用されます。(もっとも、この基準の間に金額の差があるからこそ、示談交渉が必要になってしまうのですが。)

その中でも、もっとも実利にかなった基準なのが、過去の判例傾向と、弁護士が裁判官の意見を聞いたうえで作成した基準です。その慰謝料基準の名は「民事交通事故訴訟・損害賠償算定基準」いわゆる赤い本と呼ばれるものです。実務では、赤本基準、裁判所基準、弁護士基準などと表現されます。

そして、この赤い本以外の慰謝料基準は、「自賠責基準」と「任意(保険会社)基準」の2つとなります。

人身事故の慰謝料

人身事故の慰謝料3つの基準

・ 裁判所(赤い本)  
慰謝料表というものが存在し、入通院の日数に比例して増えるが、月日が経過するごとに月当たりの慰謝料が減っていく

・ 自賠責保険   
「一日4200円×入通院の日数(通院期間or通院実日数×2、のどちらか小さい方)」ただし、人身事故の賠償金が120万円以下の場合に適用される。

・ 任意保険    
非公開基準 入通院の日数に比例して増える(一定の基準は存在する。月日が経過するごとに月当たりの慰謝料が減っていく)

これら3つの慰謝料金額の根拠は、
チェック裁判所基準は、裁判で認められるであろう金額であり、
チェック自賠責の基準は、自賠責保険から支払われる額であり、
チェック任意保険基準は、保険会社が提示してくるであろう額、
ということになります。

なお、裁判所基準(弁護士基準)の請求を任意保険会社に行うと、「弁護士に委任していないので弁護士基準は採用できません」などと言ってきますが、弁護士委任をしても「裁判でないので、裁判所基準は採用できません」と言ってきます。保険会社の言い訳は、結局、慰謝料を払い渋りたい為の口実にすぎません。

なお、、金額の大小は

裁判所(弁護士会)基準>任意保険会社基準≧自賠責基準

となっています。

慰謝料の対象となる入通院日数(総治療期間)

慰謝料を計算する際に適用する入通院の日数は、それぞれの基準によって異なります。

裁判所基準  入院期間は入院期間、通院は通院期間。ただし、通院回数が極端に少ない場合は実治療日数の3倍または3.5倍とする。(これを慰謝料表に当てはめて算出する)

自賠責基準  入院は入院期間、通院は実治療日数を2倍したのと、治療期間を比べてどちらか少ない日数。

任意保険基準 非公開を原則とされていますが、これらの基準は強制されるものではありません。被害者の治療費、交通費、休業損害の大小によって多くもなれば少なくもなる場合もあるあいまいな基準です。非公開の任意保険基準がゆえに、「弊社基準」などと言って、どのくらいの慰謝料を算定するかは任意保険会社の自由なのです。結局のところ、一応の目安はあるものの、個々の事案により調整がなされるのが実情です。

逆にいえば、その示談金の調整方法、何を主張するのか?テクニック等で賠償額は違ってくるともいえます。実際には、休業損害の期間を短くする代わりに慰謝料を増やすといったやり方や、慰謝料を払うから後遺障害認定(治療を打ち切ってくれ)してくれ、丸い数字にして・・・、双方の主張の中間値の慰謝料金額で、といった交渉がなされたりしますが、示談の最終段階でもない限り慰謝料は慰謝料として独立して算出すべきです。なぜならば、任意保険会社は「慰謝料で診ますので~~は勘弁してください」などと、示談交渉前に言ってきたりします。これは、宜しい事ではなく、~~は~~として、しっかり損害賠償として計上すべきなのです。

交渉過程では当然、任保険会社は任意保険基準を主張しするし、裁判ではほぼ赤い本基準の金額になるし、自賠責保険の支払は当然のように自賠責基準になります。もちろん、被害者は最も高額な裁判基準を主張すべきです。

最後に、慰謝料算定の基準には青い本というものも存在することをご紹介します。
青い本とは「交通事故損害賠償算定基準」の事で、日弁連交通事故相談センターが発行している本です。これは、赤い本に比べてややローカル的な基準で、慰謝料の基準が掲載されています。赤い本の出版が日弁連交通事故相談センター東京支部発行に比べて、青い本は全国版だからとという理由もあります。

さて、青い本の慰謝料ですが、青い本では同じ期間と症状でも金額に幅を持たせているのが特徴で、対する赤い本は数字は一つに絞られています。

例えば、交通事故に遭って一ヶ月入院が必要だったとします。この場合の慰謝料額は、赤い本は53万円ですが、青い本では32万から60万円となっています。

どちらを使用して、慰謝料を算定するかはケースバイケースですが、実務では赤い本の方がややリードしているといって良いでしょう。

また、中でも自賠責基準を除いた慰謝料で、例えば訴訟では下記の4つの増減額事由が勘案されます。

増減額事由

1.外見に消えない傷跡が残った場合
2.事故が悪質な場合
3.示談交渉の労力が必要以上にかかった場合
4.加害者が保険料を負担していて被害者が搭乗者損害保険を受領した場合

大まかな人身事故の慰謝料は、無料で試算しますので、
1、入院・通院期間
2、実通院日数(病院へ通った日数)
4、傷病名または症状
5、減額事由があれば
6、後遺障害の等級
その内容をページ下部のフォームからお知らせください。

また、後遺障害の慰謝料については、後遺症障害の慰謝料をご参照ください。


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637 コメント on “交通事故の人身事故に対する慰謝料の金額は?

  1. 以前2回質問させていただきました者です
    後遺症害が認められましたので、改めてご回答をお願いいたします
    1.入通院期間はH28.12/31~H29.12/27
    2.実通院日数は183日(通院のみ)
    3.傷病名は、右足関節外果裂離骨折、右足関節外果骨折偽関節、右足関節外果骨折難治性骨折
    症状は右足関節圧痛とROM制限
    4.減額事由はありません
    5.後遺症害は12級
    以上です
    よろしくお願いいたします

    1. 傷害慰謝料117万円(80~140万円)
      後遺障害慰謝料290万円(250~300万円)
      と計算できます。*赤い本基準(青い本基準)

  2. 以前、質問させていただきました者です。
    医師から後遺障害診断書をもらいましたので、その内容からご回答頂きたいと思います。
    実治療日数は通院のみで170日です。
    傷病名は、右足関節外果裂離骨折、右足関節外果骨折偽関節、右足関節外果骨折難治性骨折です。
    各部位の後遺症害の内容は、右足関節圧痛、CTにて右足関節変形治癒、spur形成、free bodyあり。
    障害内容の憎悪・緩解の見通しとして「右足関節変形治癒を残し、局所に回復不可能ながんこな神経症状を残した」とあります。
    自覚症状ではROM障害もあるのですが、医師から、障害が健足の2/3以下ではないので後遺症害として認められないと言われています。
    長文になり申し訳ございません。
    よろしくお願いします。

    1. ご質問ありがとうございます。
      ご質問の中で医師から「健側の2/3以下」とありますが、正しくは、後遺障害に該当するのは健側の「3/4以下に制限」の12級からとなります。(もっとも、可動域は非該当でも、後遺障害は認められると思います。)

  3. はじめまして、始めての事で、何もわからず、自分でいろいろ調べているのですが、やっぱり難しい事ばかりなのでアドバイスお願いします❗人身事故にあって、一週間ほどになり、今も治療中ですが、私が自転車で相手は自動車でスーパーの駐車場から左折するために、歩道を挟み一時停止していたので、車の前を通りすぎようとしたら、左側の確認せず動きだしたので自転車の後輪に当たった事故です。その車は、すぐ止まりもせず移動していたので自転車を押しながら、追いかけ100mほど離れた信号待ちで止まって貰いました。私も怪我は、たいしたことないのですが、止まって怪我の確認せず動きだし事が、許せませんでした❗こんな内容の事故なのですが、保険関係の手続きなど調べもしないで、保険会社の言い分に、納得してはいけないよと、言われました。まず今、分からないのは、総治療日数と実治療日数って意味の違いは何ですか⁉長文になりすいません❗

    1. >総治療日数と実治療日数って意味の違い

      総治療日数とは治療が終わるまでの期間です。対して実治療日数は通院した日を数えて合計したものです。

  4. 停車時に横から追突され10:0。頸椎捻挫、両上肢不全麻痺、腰椎捻挫と診断されました。事故から3ヶ月目で通院日数は50日。休業は30日で年収は500万程度です。慰謝料はどのくらいでしょうか?また、レントゲン上ストレートネックと言われましたが後遺障害認定は3か月では難しいでしょうか?職業上、両手のしびれがあり穿刺することが現状では困難です。

    1. 「事故から3ヶ月目で通院日数は50日。」という通院実績に対して慰謝料を計算すると裁判所基準では53万円が通院慰謝料と試算されます。なお、自賠責基準では75.6万円となります。

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