交通事故後の自殺

[記事公開日]2009/09/07
[最終更新日]
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交通事故の受傷が原因で、その被害者が自殺してしまう場合があります。そういったときに加害者に対する死亡損害の請求ができるのかといった問題があります。

この問題を解決するためには、以下の点を精査する必要があります。

1.交通事故と自殺の因果関係の有無

A.交通事故と抑うつ状態との因果関係
交通事故と自殺の因果関係が認められるためには、傷害の程度が普通の人でも我慢できずに自殺をしてしまう可能性がある場合を除き、自殺にいたる原因である「うつ病」や「抗うつ状態」である必要があります。

そして、交通事故と自殺の因果関係が認められなくてはなりません。その程度は、自殺の原因の全てに事故との因果関係がなくても、交通事故での受傷が自殺の一要因になっていれば因果関係を認めます。

さらに、この場合では、自殺者の受傷の程度はあまり問題になりません。なぜなら、むち打ちや肋骨骨折での自殺にも因果関係が認められているからです。

B.抑うつ状態と自殺との因果関係
精神医学で抑うつ状態であると、自殺する可能性が高くなることが常識となっています。なので、裁判上でも「抑うつ状態=自殺」という因果関係は認められています。

2.心因的要因に基づく素因減額の有無・程度

通常は交通事故で被害者が自殺することはありません。しかし、被害者が自殺に至るのは、被害者の交通事故以前のうつや精神分裂症があればもちろん、そうでなくても普通の人よりは被害妄想、精神不安定があったと考えられます。

そういったことから、自殺については心因的要因による減額が行われます。受傷の程度、後遺症の有無程度、精神疾患の有無、うつ状態を引き起こす交通事故以外の原因等が考慮され、8割前後の減額率が決まります

下記にて裁判例をあげます。

1.被害者が脆弱な性格であったために、治療開始直後に自殺をした。
治療を続けていれば軽快の可能性もあった。
減額率80%

2.慢性化した自覚症状によって、執拗にこだわる被害者の性格などの心的要因が自殺を招いた。
減額率50%

3.被害者が他人に迷惑をかけるのを極度に気にする神経質な性格などの心因的要因が極めて大である。
減額率80%

減額率80%というのは、死亡損害の80%が減額され20%しか支払われないということです。


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4 コメント on “交通事故後の自殺

  1. 返信遅れてしまいまして、申し訳ございません。加害者の自転車の件でお聞きしたいのですが。この間、母から聞いたのですが、ホームレスが乗っていた自転車はブレーキが利かず、ちりんちりんのチャイムも壊れているという最悪な自転車だったそうです。何の保証も出ないのは分かっているし、納得できないのですが、ホームレスの男は生活保護でアパート住まいとのことで、代わりに大家さんに責任を取っていただくことって可能ですかね? おそらく無理だと思いますが・・・。そして担当の交通課の警察官も対応が怠慢すぎて、役に立たなかったのも現状です。「倍返しだ!」みたいに何らかの補償や償いをしていただきたい限りですが・・・。「日本の法律が甘すぎる」と言われる理由と「被害者遺族の苦しみ」は今回のことがあって、身にしみました。

    1. 大家さんが何かしらの特別な事情で監督責任を負っている時は請求できますが、通常は請求不可能です。
      ただ、ホームレスはホームレスではなかったという事なので、資産は無いとしても、いくばくかの賠償金に充てられるものがあるかもしれません。

  2. (個人情報的な部分を一部削除しました)
    こんにちは。お聞きしたい件は、自転車事故による加害者は法に裁かれるかどうかのことです。実は、祖母(母方)が自宅ベランダで首吊自殺しました。
     去年道路を渡っていると、後ろから空き缶運びのホームレスに自転車で猛スピードで突進され、祖母はその場で失神し、病院へ運ばれました。頭を思いっきり当てられたみたいで、それから一年余り、強烈な頭痛に悩まされました。私たち、家族は大きな病院や様々な病院、精神科医へ祖母を連れていきましたが、見立てはどこも同じ。MRIでも脳に異常は映ってなく、日にちが薬状態でした。東京の名医に見てもらうには予約を一年待たないと診察してもらえないので、埒が明かない状態でした。最後の整骨院では、後頭部の頭の骨にひびが入って歪んでいて激しい頭痛が起こっていると判明しました。かなり、家族も手を尽くしたのですが、最近「死にたい」や「死ぬビルを探している」等、自殺をほのめかす言葉をつぶやいていて、困っていると母から何度も聞いていました。そして、3通の遺書を残して自殺してしまいました。本人はかなり辛く苦しかったと思います。私達遺族はとても遣り切れない気持ちでいっぱいです。悔しい・・・。ノイローゼになっていて体重も42、3キロにも減っていました。

    ホームレスの男にいわば殺されたようなものです。何の保証も出ないし、しかもそのホームレスは知的障害持ちらしく、責任能力が問われないかもしれないと担当の警察署で言われたそうです。全然反省の色もなく、自分もかすり傷を負わされたなどと言い訳をしたそうです。

    祖母も車量も少ないし信号のない道路を焦っていたのかボーッとしていたのか渡っていたみたいでどちらにも非があるわけなんですが。祖母は片耳が聞こえないというのもあり、後ろからの自転車の音に気付いてないのもあったようです。自分ではシッカリしているつもりでも、うっかりしていたんでしょうね。

    こういう場合は、遺族達は泣き寝入りするしかないのでしょうか?何の保証もされず、相手のホームレスの男は刑にも問われないまま生活は最低ですが、のうのうと生きている。私たち家族は許せないです。復讐が芽生えて、激しい憎悪さえメラメラ燃え上っています。復讐しても最愛の祖母は、帰っては来ないですから。どうしても法で裁いてもらうことって方法ないですかね?知的障害であろうが、自殺に追い込むくらいの後遺症と被害を与えているわけですから。犯罪は犯罪です!

    解決法をお願いします。長文になってしまって申し訳ないです。

    1. 自転車による交通事故が増える中、法による整備が遅れているのが現状です。つまり、自転車には被害者救済のような自賠責の制度もなく、被害者が泣き寝入りする事が多いのです。

      1つだけ、自転車のTSマークが有効であれば、多少の賠償を受ける事が可能ですが、ホームレスの載っている自転車に有効なTSマークがついている可能性はほぼないと考えられます。

      考えられるのは、ものすごくハードルは高く、ニュースにもなるレベルですが、国に裁判によってその責任を求める方法も考えられます。何年も前から、自転車に自賠責のような救済制度がないのはおかしいなどと、国に対策を求めているのにも拘らず、現状ではこのようなことが発生し続けているのが状態です。国の責任、立法の不作為そもそも、その要件に当てはまるのか、これについては交通事故とは関係なくなってしまいますので詳しくは述べませんが、加害者の刑罰については、障害者は罰しないという規定があるので、これについてはどうする事もできませんが、もしも加害者が、今ホームレスを続けていられれる状態であれば、これは、どうにかすべき問題(どうにか出来る可能性がある)だと思われます。

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