従業員が起こした交通事故の責任は会社も負う~使用者責任~

[記事公開日]2010/11/28
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交通事故で生じた損害は、それが業務の執行中の交通事故であれば、会社も本人と連帯して責任を負います。この場合、物損も人損も区別はしません。

ここでよく問題になるのは、業務の執行中であるか、否かです。例えば、会社の車で休日の遊びに出かけた際に交通事故を起こした場合に、会社には責任があるのか?通勤途中は?無断使用は?

こういった場合に一応の目安になるのは「業務性」と「客観性」の有無です。

業務性とは仕事中の交通事故、客観性とは外から見て仕事を行ってるように見えるときの交通事故という意味です。

逆にいえば、純粋なマイカーでの通勤は会社は責任を負いません。(仕事中でもなければ会社の車でもないため)しかし、会社名の入った車で通勤した場合は、客観的に業務中と見えるので会社は責任を負います。

そして、レジャー目的にせよ、無断使用にせよ、会社の事業用の車ならば、会社は責任を負う事になります。社内規定で禁止されていても関係ありません。

まとめると、事業用の車での交通事故、仕事中の交通事故は、本人同様に会社も責任を負わなければならないという事になります。

これが否定された例には、出張に自家用車を利用し出かけたときに交通事故を起こした場合、下記を理由に使用責任が否定されたものがあります。

自家用車であること
通勤に自家用車の利用禁止していること
出張に使用するには上司の許可が必要なこと
加害者は普段業務に関して自家用車を使用していなかったこと

根拠条文:民法715条


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16 コメント on “従業員が起こした交通事故の責任は会社も負う~使用者責任~

  1. 先日、入金業務で銀行へ行った帰りに事故にあいました。会社に届け出たところ、物損に関しては個人の保険を使用する。理由は社用車でないから。というものでした。そもそも社用車のある店舗など存在せず、銀行が遠くとも従業員が入金に週二回必ず出かけていかなければならないシステムなのに、事故は従業員の自腹などあり得るのでしょうか?(自己の保険を使用することで、現在の等級に戻るまで、保険料が70,000円ほど上がると言われました。)
    社則の、免責範囲内の事故は従業員の負担とする。という一文を盾にとって反論されましたが、そもそもそんな内容は契約書にありません。
    入金業務は誰かがせねばならず、社員は車を持っていないため、パート社員の誰かが車を出さざるをえません。また、通常業務であるのにガソリン代も払われていません。本当に会社に責任は問えないのでしょうか?差額保険料は完全に自腹で、救済してもらえないのでしょうか?

    1. これはとても深い問題が有りますので、最終的には弁護士の先生にご相談ください。使用者責任と呼ばれるものが、会社には発生します。これは、営業中に生じた損害はその会社が負うというもので、利益あるところにまたその損害も帰すという考えが元になっています。

      そして、会社に損害を請求するのは誰か?事故の相手方か?というところでも、手続きは変わるものと考えられます。事故の相手方からすれば、社則は無関係となり、会社に損害賠償請求が行えます。

      そして、会社の損害を従業員が負担するかどうかは、従業員に重過失があったときとされています。通常の過失では責任は生じません。

      ただ、これらの判断は、裁判所が行うにふさわしいとされており、「会社が責任を負う可能性がある」ということ以外、何一つ確実な事は言えないのが現状だとお思います。

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