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後遺障害の申請は被害者請求にする!

[記事公開日]2010/11/17
[最終更新日]

人身事故では加害者の任意保険会社が介入してくると、一括払いが行われます。

一括払いとは、任意保険会社が任意保険金と一緒に、自賠責保険(共済)が適用される部分を立替えて支払うものです。この時、任意保険会社は被害者に自賠責保険金(共済)と任意保険金を合わせて支払った後に、自賠責保険(共済)に対して加害者請求をします。

被害者にとっては、わざわざ自賠責保険に被害者請求をする必要がなくなるので、便利な制度(サービス)です。しかし、デメリットもあります。正しい賠償金を得るために、最低でも後遺症につては被害者請求で自賠責に直接請求を行う事がお勧めです。

被害者請求のメリット

被害者請求のメリットはたくさんあります。

例えば、自賠責部分の請求では、任意一括であろうとも、被害者請求であろうともその基準は同じですが、認定の厳しさが違います。被害者請求よりも任意一括の方が厳しい認定をしてきます。(某保険会社社員に教えていただきました)

また、提出書類を任意でそろえることが出来るので、有利な書面などを添付して申請をすることができます。逆に言えば、一括では任意会社が提出してしまう不利な書面も、被害者請求では使われずに済むこともあります。

一括のデメリット

そして、一括のデメリットとして大きいことが2つあります。

1つ目は、事前認定(保険会社に申請を任せる方法)で後遺障害が認定されたとしても、示談の成立をしなければ後遺障害の賠償金が支払われないということです。*交通事故の後遺障害と認定されるには、自賠責の調査事務所に後遺障害の調査をしてもらう必要があります。

治療中にも関わらず、任意保険会社はもっともらしく「慰謝料を払いますので、後遺障害を認定してもらってください」などと言ってきます。そこで被害者は後遺障害診断書を作成して加害者の任意保険会社に送付します。すると、任意保険会社は加害者の任意保険会社という立場で事前認定という後遺障害の申請を行います。

後遺障害が認定されると、自賠責保険から後遺障害の慰謝料や逸失利益の保険金が支払われます。しかし、この事前認定では、その保険金はすぐには支払われず、任意保険会社は、示談が成立しないとそのお金を被害者には支払ってくれません。被害者請求では、後遺障害が認定された時点で、示談より先に保険金(賠償金)が直接被害者に支払われるので、腰を据えて任意保険会社と交渉ができます。この辺に、任意保険会社のしたたかなたくらみが見え隠れしています。これが「賠償金」のデメリットです。 

2つ目のデメリットとしては、任意保険会社は自らの腹を痛める事になるので、被害者を後遺障害に該当させたくないのは明らかなのです。そこで、まともな後遺障害の申請や異議申し立ての申請はしてくれるはずがありません。ましては、書式が自由な異議申し立てにいたっては「異議を申し立てます」の一言で終わりです。本来なら、「なぜ、後遺障害が認められなくてはならないのか?」「日常ではどれだけ不憫な思いをしているのか」その他後遺障害が認められやすいように整理した書面を作成して異議申し立てを行わなければなりません。 

これを、加害者として賠償金を支払う保険会社がまともに行うと思いますか? 

サッカーでいえば完全アウェイです。事前認定による後遺障害の申請は、裁判であれば、自分を弁護するはずの委任をした弁護士が、加害者であるようなものです。これほどおかしい話はありません。

自賠責に被害者請求する事!

最近、こんなことがありました。後遺障害が非該当になると、その非該当になった理由が自賠責保険より送られています。任意保険会社が後遺障害の申請を行うと、この通知は任意保険会社に送られます。こともあろうか、この通知を任意保険会社は「そんなものはない」と、隠していたのです。その通知には、その後の異議申し立てを行う上で重要なポイントが記載されているからです。もちろん、この件は私に相談があったので、結局、任意保険会社には理由書を提出していただきました。

いかがでしょうか。

被害者請求のメリットをざっと記述しましたが、これの対策を行えば、後遺障害が認定される確率がぐんとアップするのです。 

話は戻りますが、被害者は後遺障害の申請を任意保険に任せずに自賠法16条に基づき、被害者請求を行います。もちろん、異議申し立ても自らが行います。(当事務所が代行します)そして、自賠責基準での慰謝料、逸失利益などの自賠責基準の後遺障害保険金を直接得ることが出来たら、 上乗せ部分を任意保険会社に直接請求し示談交渉をするか、裁判所基準との差額を得るために粉センに申し立てを行います。

例えば、後遺障害3級の慰謝料は自賠責基準で829万円です。しかし、裁判所基準、つまり、粉センで認められる金額では1990万円になります。なんと、その差は1161万円です。差額が支払元金を超える、この戦略のすごさがわかります。
 
最後にもう一度繰り返します。任意保険会社には後遺障害に関する一切の手続きは行わせてはいけません!被害者請求、つまりは自ら行うか、自賠責の専門家に事前相談を行う事をお勧めします。

被害者請求のメリットデメリットの詳細はこちら>>

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7 thoughts on “後遺障害の申請は被害者請求にする!

  1. 初めまして。私は後方から追突された被害者です。今通院中なのですが、「そろそろ治療費の打ち切りを」と相手保険会社さんから言ってこられました。後遺障害の申請をされては?と言われたのですが、こちらのサイトを見る限りでは被害者請求の方がいいとありますが、その流れがよくわかりません。主治医にどの様に言ったらいいのか。被害者請求の書類は通院中の病院へ行くと用意してもらえるのか。自賠責に提出とありますが詳しい住所もわかりません。被害者請求をしたら、そのあとは何をすればいいのか?教えていただけたらと思います。よろしくお願い致します。

  2. 信号なし交差点で出会いがしらで衝突双方自転車相手側自身から右方向から前進。

    衝突の際転倒、病院にて1週間入院中軽い脳振とう。相手年齢66才
    自身71歳。  この場合どちら側に過失ありなのでしょうか?

    1. 交差点での出会い頭の事故ですと、双方に過失が発生いたします。

  3. はじめまして、私は先日追突事故を起こされました。
    深夜に後ろから眩しいライトに照らされ、バックライトから目に強い光が何度も飛び込み、目が眩んだ瞬間前方に動く物が見えたと思い、危険を感じブレーキを踏んだところ、ドンッという音と衝撃がきました。
    相手は若い女性ですぐに警察を呼びましたが、私は気分が悪くなり休んでいると、待っている間相手の関係者が集まり、まるで私がわざとブレーキを踏んだかのような会話をしていました。その後の対応もひどいもので念のため救急車で運ばれ次の日には帰ったのですが、直ぐに電話でどうするつもりなのかと急かすようにいってくるのです。
    事故を起こしたことに全く罪悪感を感じていないようでした。
    今後診断書を作ってもらい人身事故にさせていただこうと思っていますがもしわざとブレーキを掛けたと判断されたらと思うとこわくなってしまいます。私がいけなかったのでしょうか?

    1. 急ブレーキが道路交通法に違反するか否かが問題となります。法24条です。
      人身事故となれば、ある程度警察でも調べる事はありますが、基本的に民事、つまり話し合いになります。

  4. 昨年11月に当時7歳の男児が自転車運転走行中に交差点において2tトラックと衝突し交通事故にあいました。保険会社の過失割合は2tトラックが8、男児自転車が2の判定です。自転車男児が今年4月に事故後6ヶ月目の後遺症診察を病院で受け、頭部3cm(4針縫いました。頭髪に隠れますが、そこの部分だけハゲ直線傷痕)と顔面部2cm(右まぶた直線線傷痕)の裂傷痕の診断がでました。損害賠償調査事務所より来所面接の案内が届きましたが後遺症として認められるのでしょうか。認められない場合、裂傷痕があるのは事実なのでなんらかの損害賠償又は補償請求を2tトラック側に請求可能でしょうか。2tトラック運転手個人に直接なんらかの請求する事も検討しています。ご回答お願いします。御社にお願いする事も検討しています。宜しくお願いします。

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