死亡事故>逸失利益>07.高齢者、年金受給者の場合
07.高齢者、年金受給者の場合
交通事故で死亡した被害者が高齢者や年金受給者の時には、
若年層の逸失利益の算定方法と比べると違いはあるのでしょうか。
まず、高齢者について説明します。
高齢者でも、有職者であれば通常の損害賠償算定方法に違いはありません。
ただ、稼動期間が短くなるくらいです。しかし、事故当時収入がゼロだった場合には取扱いが異なります。
収入が無い高齢者の多くは親族の扶養を受けていたり、預貯金の切り崩しで生活している場合が多いです。しかし、中には就労意欲を持っているものも少なくありません。そういった場合には、通常よりも正確な就労の可能性を証明することができれば年齢別平均値を使用します。その他の場合は、死亡時から平均余命年数までの二分の一の年数分の男子または女子の平均賃金を基礎に算定します。
そして、高齢者で家事従事者の場合ですが、
その高齢者がどの程度家事を手伝っていたかで分かれます。
判例では、下記のとおりに分かれていて未だ基準ははっきりとしていません
全年齢平均賃金
全年齢平均賃金を何割か減額したもの
年齢別平均賃金
年齢別平均賃金の何割か減額したもの
次に、年金受給者ですが、ほとんどの年金を逸失利益と認めています。しかし遺族年金についてはあまり認めていない傾向になります。遺族年金は被害者本人の生活保障度が強いという趣旨から、被害者の遺族に対しての利益喪失には当らないからです。(他の年金は本人と親族の生活保障という趣旨から逸失性を認める)
年金の逸失利益の算定には生活控除率の仕方と割合がちょっと違ってきます。
過去の事例ですと下記の4種類があります。
1)働いている期間は通常通り算定し、その後の年金収入のみ期間は通常よりも高い生活控除率で算定する
2)働いている期間の後の年金については、年金額よりも本人の生活費のほうが上回るとして逸失利益を否定したもの
3)働いて得た収入と年金収入を別にして生活控除率を算定するもの
4)働いて得た収入と年金収入を一緒にして生活控除率を算定するもの
※1)がもっとも採用率が高い。
判例ですと下記のようなのがあります
70歳の主婦につき、女子全年齢平均給与額を基礎とした
(東京地裁平成8年)
主婦80歳につき、全年齢学歴計の50%を基礎とした
(東京地裁平成9年)
主婦86歳につき、一人で買い物等をこなしていた事から65歳以上の女子平均賃金を基礎に算定した。
(神戸地裁平成8年)
ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
只今、交通事故に関するメール相談は有料です。詳しくは→交通事故のメール相談とは?
無料メールお問合せ→
件名はそのままで
02.給与所得者の昇給、ベースアップの取扱いはどうなっているの?
